ふるさと納税のよくあるミス
兵庫県明石市の税理士、吉村です。
今年も残り3か月を切り、ふるさと納税限度額を計算する方も多いのではないでしょうか?
ふるさと納税限度額の計算は、所得税と住民税が絡むため、比較的難解な計算になりますが、各ふるさと納税サイトで限度額シミュレーションが行えるので、サラリーマンの方はそちらを利用する方も多いと思います。
私どもは、事業主の方が多いため、エクセルを利用して、オーダーメイドで限度額計算を致します。
今回は、ふるさと納税の限度額計算の計算構造は割愛して、よくあるミスをご紹介いたします。
12月末に一度だけ限度額計算を行う
サラリーマンなら12月賞与、事業主なら12月売上などを確認しないと、正確なふるさと納税の限度額が計算できません。毎年12月になるとふるさと納税のCMが多くなりますが、12月下旬にふるさと納税限度額を計算して、寄附される方が多いと思います。
ただし、12月末に駆け込みで寄附すると、既に希望の返礼品が無いという事態もよくありますので、一度12月よりも早い段階でふるさと納税限度額を概算計算して、希望の返礼品を獲得することがお勧めです。
その後、12月下旬に精度の高いふるさと納税限度額を計算し、既に寄附した金額との差額を寄附すべきでしょう。
子供の年齢を間違える
扶養控除は、その年12月31日の年齢に応じて控除額が異なります。
控除額は下記のとおりです。
年齢 | 控除額(所得税) | 控除額(住民税) |
15歳以下 | 0円 | 0円 |
16歳以上19歳未満 | 380,000円 | 330,000円 |
19歳以上23歳未満 | 630,000円 | 450,000円 |
23歳以上 | 380,000円 | 330,000円 |
ご覧のとおり、15歳から23歳までの間に控除額の変動が発生しますので、お子様の年齢は正確に把握することが必要です。また、その年12月31日の年齢のため、試算日現在にて誕生日を迎えているのか、どうかもお気をつけください。
なお、翌年1月1日生まれは、12月31日24:00(1月1日0:00ではない!)に年齢が上がりますので、扶養控除計算上は12月31日時点で誕生日を迎えていることになります。
これは、4月1日生まれが3月31日24:00に年齢が上がるため、学年の区切りを「4月2日~翌年4月1日生まれ」としているのと同じ理屈になります。
所得控除や税額控除の計算もれ
特に下記のようなことがある方は、必ず限度額計算に含めてください。
【要チェック】
iDeCoや小規模企業共済加入、医療費が多い、住宅ローン借入
収入が前年と同額なので、限度額も同じくらいあると思っていたが、所得控除が多く、限度額よりも多い寄附を行っていたということもあります。
ワンストップ特例を行ったが、確定申告で寄附金控除もれ
ふるさと納税をワンストップ特例で申請した後、医療費控除などを適用するために確定申告を行う場合、ワンストップ特例は無効となります。
ワンストップ特例を申請した寄附も含めて、確定申告で寄附金控除の適用を受けて下さい。
まとめ
ふるさと納税でのよくあるミスをお伝えしました。
限度額計算の方法は理解出来ても、その前提となる控除額などを間違えていては、正しい計算は出来ません。
個人事業主や会社役員の方で、気になる方がいれば、「よしむら総合会計事務所」までお問い合わせください。