法人が決算後に負担する税率は何%なのか?
兵庫県明石市の税理士、吉村です。
早速ですが、法人の所得に対する税率って何%でしょうか? 30%?35%?40%?
経営者の方や銀行員も答えられない方がほとんどでしょう。
本日は、法人が年間所得(利益)に対して負担する税率についてお伝えします。
まず、法人が負担する税目とそれぞれの税率は、下表(黄色)のとおりです。
しかし、課税標準(※)がそれぞれ異なっていますので、単純に税率を合算すれば良いわけではありません。
(※)課税標準:税率を乗じる金額
(税率表) 資本金1億円以下、法人税額400万円以下、兵庫県明石市の場合
所得金額 | 法人税 | 地方 法人税 |
事業税 | 特別法人 事業税 |
県民税 | 市民税 |
表面税率 |
実効税率 | |
年400万以下 | 15.00% | 10.30% | 3.50% | 37.00% | 1.00% | 6.00% | 22.39% | 21.37% | |
年800万以下 | 5.30% | 24.86% | 23.17% | ||||||
年800万超 | 23.20% | 7.00% | 36.80% | 33.58% | |||||
課税標準 | 所得金額 | 法人税額 | 所得金額 | 事業税額 | 法人税額 | 法人税額 |
表面税率とは、年間の所得に対して、上記6種類の税金がいくら発生するかを示した割合です。
実効税率とは、上記6種類の税金のうち、事業税と特別法人事業税は、所得の計算上、損金算入されるため、表面税率に比べ低い率となります。
両者の使い分けは、
単純に今回の決算でいくらの税額になるのか?といった場合 → 表面税率
実際の税額負担割合は?といった場合 → 実効税率
年間所得(≒税引前利益)に表面税率を乗じると、その法人が負担する法人税、住民税及び事業税が算出されます。
ご覧のとおり、年800万円超の所得に課税される税率は、表面税率で約12%、実効税率で約10%上昇することが分かります。
従いまして、法人での節税や役員報酬を検討する際には、この所得金額が年800万円のラインを意識して取り組む必要があります。