銀行は決算書を分析を解説

銀行の財務分析概要

兵庫県明石市の税理士、吉村です。

本日は、銀行が企業の財務分析をどのように行っているか、をお伝えします。

2021年9月16日のブログ「銀行は決算書をどのように見るか?」では、決算書を預かってから融資先の信用格付までの一連の流れを記載しましたが、今回の内容は、同ブログの『【銀行の財務チェックの流れ】4.実態評価後に財務分析(定量分析)』についてになります。

銀行は決算書をどのように見るか? | 節税と借入に強い!明石、加古川の若手税理士 (y-sogokaikei.com)

 財務分析の大きな流れですが、概ね下記のとおりです。

  1.決算書の実態評価

   ↓

  2.財務分析

   ↓

  3.スコアリング

   ↓

  4.信用格付

分析の観点

 実態評価した後の決算書を基に、経営分析指標を算出します。金融機関により重視する指標は異なりますので、一概には言えませんが、下記のような観点から融資先を評価します。

 1.安全性(返済能力)

 2.収益性

 3.成長性

(主な分析指標)

1.安全性(返済能力)
 ①自己資本比率
 ②当座比率、流動比率
 ③固定比率、固定長期適合率
 ④有利子負債償還年数(有利子負債/キャッシュフロー)
 ⑤借入金対月商倍率(借入金/月商)
 ⑤インタレスト・カバレッジ・レシオ【(営業利益+受取利息・配当金)/支払利息】
 ⑥デットキャパシティ・レシオ

2.収益性
 ①売上高経常利益率
 ②総資本経常利益率

3.成長性
 ①売上高増加率
 ②経常利益増加率

スコアリング

 安全性、収益性、成長性の各分析指標を点数化し、会社のスコアリングを行います。そのうえで、決算書以外の要素(定性面)を考慮して、最終的に会社の格付を決定し、銀行としての取引方針を決定します。

まとめ

 上記のとおり、最も安全性を重視します。当たり前ですが「貸したお金が約束どおりに返ってくるか」に興味があります。
 金融検査マニュアル廃止後も多くの銀行や信用金庫の基本スタンスは大きく変わっていないようですね。
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